トーマス・キャンベルのサーフ・ムービー、『Sprout』の試写の余韻がさめやらない代官山AIR。およそ300人を超す人々は、全てのフロアを覆い尽くす。そして彼らの熱気が充満する中、トミー・ゲレロがベースを抱えてステージに登場した。ゆるいスタートは、徐々にスピードを増すかのように加速度がつき、何かが起こると予感するオーディエンスは、言葉を殺してステージに見入る。そして・・・。ジャック・ジョンソンが、マニー・マークが、そしてジャックのバンドのドラムス、アダムが加わり、レコーディング以来、一度たりとも実現しなかったSprout house bandのジャムが始まった。
目と目を交わしながら、展開していく曲の数々。ありえないメンバーのありえないジャム。AIRを包む熱気は膨張し、爆発寸前。そこに、さらに
AFRA、G.ラブが乱入。心の底から演奏を楽しむミュージシャンと、音に酔うオーディエンスたち。ミッドナイトを越えても、音は鳴り止まない。濃厚 な時間は、濃厚な余韻として、奇跡のギグに参加した人の心に残った。
AIRで、たった一度っきりのライブを展開したSprout house band。このライブを余韻を楽しめる『Sprout-Original
Soundtrack』は、好評発売中。また個性的なプレイを見せたマニー・マークのニュー・アルバム『FATHER
DEMO SQUARE』が、8月3日にドロップ!NYのダウンタウンの情景を描くようなメロウで刺激的な曲を収録する。
text by Masahiro Sugimoto