高校時代の友人であったギフト・オブ・ギャブとチーフ・エクセルは1991年にブラッカリシャスを結成。当時、エクセルの友人たちは大学でソウルサイズというユニットを結成し、そこにはDJ
シャドウ、リリックス・ボーン、ラトリックスらが参加していた。彼等とともに、フリースタイルのセッションや、KDVSのラジオ・ショウなどの活動を経て、1992年ギャブはソウルサイズの最初の12インチリリースで、DJシャドウのトラックに参加。またブラッカリシャスとして初のEP「Melodica」をソウルサイズよりリリースし、その後96年にはアルバム「Nia」の制作にとりかかるころには、彼等はビルボード誌で「西海岸でもっとも重要なクルー」と絶賛されるまでになっていた。そして、「Nia」のレコーディングから生まれたEP「A2G」ではカット・ケミストとのジョイント「Alphabet
Aerobics」がビッグ・ヒットとなり、日本でもアンダーグラウンド・アンセムとして大きな話題を集めた。まもなくソウルサイズはクアナム・プロジェクトへと進化し、ブラッカリシャスはついにファースト・アルバム「Nia」をクアナムよりリリース。このアルバムは、ジェームス・ラベル率いるモ・ワックスよりイギリスでリリースされ、アメリカ国内のみならず、ヨーロッパでの人気も不動のものにする。
一躍、時の人となったブラッカリシャスは、激しい争奪戦の結果、メジャーのMCAと契約を交わすことになった。そして、メジャー第一弾となる「Blazing Arrow」をリリース。ゲストにザ・ルーツのクエストラヴ、ベン・ハーパー、ザック・デ・ラ・ロカ、ギル・スコット・ヘロンなどを迎えて作られたこのアルバムは、西海岸のヒップホップの最高傑作として高い評価を得ることになる。
そして2004年、ギフト・オブ・ギャブはついに自身のソロアルバムをリリース。「彼は、僕が出会った人たちの中で最も才能のあるラッパーだ。彼のスタイルは、ジャングルから湿地帯まで無限に広がり続ける。とにかく才能があるんだ!」とチーフ・エクセルが語るように、このソロアルバムではギフト・オブ・ギャブのラッパーとしての才能が大きくフィーチュアされた作品となっている。 |