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INTERVIEW インタビュー
Interview with Tommy Guerrero
--- 新作のレコーディング時期は?コンセプトは?
Tommy Guerrero(以下:TG):
新作には、5,6年前に思いついたアイデアで、やっと今になってレコーディングした曲もあるんだ。実は昨日の夜レコーディングした曲も あるし、リリース直前までレコーディングすると思うよ。集中的な作業はこの1年半前からだね。コンセプトは事前に決めてなかったんだ。レ コーディングし始めたら、ファンキーでロックっぽい方向性が見えてきたから、その方向性にすることにしたんだ。だから、今作は過去の作品 に比べて一貫性があると思う。でも僕の視点には客観性がないから、分からないけどね(笑)。みんなの反応が楽しみだよ
--- アルバム・タイトル『From The Soil To The Soul』の意味は?
TG: ずっと前に思いついたタイトルなんだ。オーガニックな響きがある と思うし、人間が自然や地球と繋がってるという意味なんだ。このタイトルはちょっとキザな感じがするかもしれないけど、 気に入ってるんだ(笑)
--- 『Soul Food Tacqueria』に比べたら違いは?
TG: どっちも僕の作品だから共通した要素はあるけど、今作の方がファ ンキーでアグレッシブだね。ギター・サウンドももっとヘヴィなんだ。一番大きな違いはボーカルを導入したことだよ。前作にリリックス・ ボーンが参加したけど、今作にはリリックス・ボーンに加えて、クルミン、ビング・ジ・リングも参加してる。実は僕もちょっと歌ってるんだ (笑)。かなりミニマルだけど、僕の声も少し入ってる
--- 歌ってみてどうでしたか?
TG: 僕の初期の作品でも歌ったことはあるけど、必要に応じて歌っってるだけなんだ。 アイデアを思いついてやってみただけだよ。僕は基本的に歌は上手くないんだ(笑)。 でも、試してみたいアプローチだったんだ
--- 新作はどこからインスピレーションを受けましたか?
TG: 僕はありとらゆるところからインスピレーションを受ける よ。いつでも曲のアイデアが思いつくし、出来ることなら24時間ずっとレコーディングしていたい(笑)。 常にレコーディングや曲作りのプロセスを進化させたいと思ってる。曲作りはとても内省的なプロセスなんだ。 一つの決まったところからインスピレーションを受けるわけじゃないんだ。 『Year Of The Monkey』は、もっとアグレッシブなサウンドだったんだ。新作にもそのアグレッシブなギター・サウンドが 入ってるけど、それはアメリカの社会情勢に対する僕の気持ちを反映してるんだと思う。 いろんな社会問題を見ているとフラストレーションを感じることが多いから、その鬱憤を音楽を通して解放してるんだ
--- これまでの作品があなたにとってどのような意味を持っていたか教えてくれますか?どのように進化してきましたか?
TG: 試行錯誤を通して、レコーディング・プロセスについていろんなことを学んできたよ。 時間があればあるほど、曲作りにもっと深く入り込めるんだけど、僕は残念ながら日常生活であまり時間がないんだ。 『Loose Grooves』から今までのはプロセスは常にクリエイティブなものだったよ。 今はもっと曲作りにもっと深く入り込んで、様々なテクスチャーを作り出そうとしてる。 メロディをもっと複雑にしようとしてるし、いろんなテクスチャーを重ね合わせようとしてる。 『Loose Grooves』は4トラックで即興で作ったんだ。今のテクノロジオーでは無数のトラックが使えるんだよ(笑)。だから、音に もっと深みを出そうとしてる。新作には、『Loose Grooves』に入っていてもおかしくないような曲も入ってるけどね
--- アートワークはなぜバリー・マッギーに頼んだのでしょうか?アートワークのコンセプトは?
TG: バリー・マッギーの作品は大好きだし、彼とはずっと前から友達なんだ。僕らには共通の仲間がいるし、 似たような環境で育った。お互いのことをリスペクトしてるし、お互いのバックグラウンドを理解してるんだ。 彼がのアートワークの進化をみてきたよ。僕は幸運なことに、いつも優れたアーティストにアートワークを手掛けてもらってるんだ。 スティーブン・パワーズ、マーガレット・キルガレン、マーク・ゴンザレス、トーマス・キャンベル、ファーストを手掛けたナタス・カウパスもそうだよ。 そういう意味で僕はラッキーだね。僕が昔出した10インチで使われたアートワークは、バリー・マッギーの作品の写真だった。 彼はこのアルバムだけのために作品を描いてくれたんだ。どういうアートワークかはまだ教えられないけど、素晴らしいものにな るのは違いない。彼が参加してくれて光栄だね
--- あなたはジェット・ブラック・クレイヨン、レイ・バービーとのブラックトップ・プロジェクトなどもやっていますが、ソロ作品との違いは?
TG: 僕がソロでやっていることとコラボレーションの違いは、ソロで曲作りしてるときは 自分一人の世界の中で方向性を作り出さないといけないことだよ。他の人とコラボレーションをすると、いろんな人 のアイデア、意見、視点を導入することになるんだ。僕が思いつかなかったようなアイデアを他のミュージシャンが 言うかもしれないし、それは素晴らしいことなんだよ。コラボレーションをするときは、全ての責任が自分一人にかかってないんだ。 ソロでやってると、責任が全てに自分にかかってるから、辛いこともある(笑)。ブラックトップ・プロジェクトの場合は、 有機的なプロジェクトなんだ。レイがアイデアを思いついたら、僕やマットやチャックが演奏したり、有機的な方法で曲を 作っていく。それはすごく楽しいね。一緒にアルバムを作ろうという話をしてるよ。みんな忙しいから大変なんだけど、 メールで音を送り合うこともある。数ヶ月前に、みんなで集まって演奏したんだけど、まるで初めてじゃないような感覚だったんだ。 みんなが優れたミュージシャンだから、そういう意味では楽だよ。メンバーとは昔から仲がいいし、チャック・トリースとは 20年前から友達なんだ。僕とレイも同じくらいの仲だし、マットとは15年前から友達なんだ。スケート仲間だから、 絆が強いんだ。ジェット・ブラック・クレイヨンのモンティとガジェットとも大昔から友達なんだ。彼らとは10年前から音楽を一緒に やってる。仲間と音楽をやるのは、遊んでるような感覚に近いんだ(笑)。"音楽を作ってる"ということをあまり意識してないかもしれない
--- プロモ・ビデオを撮影する予定は?
TG: トーマス・キャンベルと話し合って、ビデオを作ろうという話になってるよ。 彼は忙しいし、いつになるかは分からないけどね。僕がどういう映像を欲しいか分かってるのは彼くらいだよ。 彼の美学とアプローチが好きだから、彼以外考えられないよ。アイデアを話し合って、どうなるか様子をみてみる。 でも普通のプロモ・ビデオとは違うものになる。僕はビデオには登場しないだろうし、その方がいいんだ。ビジュアル作品になるだろうね
--- フジ・ロックではどういうライヴになりそうですか?
TG: フジ・ロックは楽しみだね。ステージに立った瞬間に、どういうライヴになるか分かるよ。 今回はいつもと違うドラマーが参加するんだ。チャーリーは来れないから残念なんだけど、今後のツアーでまた参加してくれるよ。 新曲をどうやってライヴで再現するかこれから考えないといけないんだ。僕らは音楽を演奏するのが好きだし、 必ずライヴでは楽しめるんだ。オーディエンスが僕らのエネルギーを感じるだろうし、間違いなく楽しいものになるよ
--- フジ・ロックで見てみたいバンドは?
TG: 先日フジ・ロックの出演アーティストを見ていたら、僕らが出演する日の ヘッドライナー・バンドがマッドネスだっていうことを知ったんだ。信じられなかったよ。僕が彼らと同じステージに立てるって いうのは本当に光栄だね。5年前でもこんなことが起きるなんて想像もできなかった。レッド・ホット・チリ・ペッパーズが 出演するフェスティバルに出演できるのも嬉しいね。彼らがデビューしたときからファンなんだ。信じられない気分だよ。 ちょっと超現実的な感じさえする。フロッギング・モリーも出演するんだけど、メンバーのマット・ヘンズリーはスケーターで、 ずっと前から知ってるんだ。彼らはグリーン・ステージに出演するけど、彼らのライヴも見たい。ブラッカリシャスも出るらしいし、 見てみたいバンドがたくさん出るんだ。かなり素晴らしい3日間になりそうだよ
--- 日本では何度もライヴをやってますが、日本の何が好きですか?
TG: 日本の人々は僕がやってる音楽を受け入れてくれてるし、他の国では感じないような愛を感じる。 アメリカだって、日本ほど僕の音楽を受け入れてくれてないよ。だから、僕はいつでも日本に戻りたいと思うし、 ライヴをやるときは全身全霊でやるよ。汗と血と涙を出しながらライヴをやる(笑)。日本にいくと、とても謙虚な気持ちになる。 日本のファンが僕の音楽をリスペクトしてくれてるのはとても嬉しいことなんだ。彼らも僕の音楽を楽しんでくれることを願ってるよ
--- 今後あなたの音楽はどのような方向性になるのでしょうか?
TG: 次のアルバムは、ちゃんとしたスタジオでレコーディングしたいんだ。 全部生楽器で演奏して、ドラマーと一緒に曲を作り込んでいきたい。そうすればいろんな展開が作れるし、 おもしろい曲が出来ると思う。スタジオに長時間ミュージシャンたちと一緒に入ることができれば、 僕の音楽性を高められると思う。時間がキーポイントなんだ。僕は仕事もしてるし、家族がいるから、バランスをとるのが難しいんだ
--- 日本のファンにメッセージを。
TG: 好きなことをやって、一生懸命やること。アリガトウゴザイマス!
(interview by RUSH! PRODUCTION)

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