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INTERVIEW インタビュー

  Rob Smith Interview in London
Rob Smith
--- 新作について訊きたいんですが、レコーディングはいつ終わりそうですか?
Rob Smith
 
 
 Rob(以下R):
まだ、はっきりとは言えないんだ。終わりに近づいてるんだけど、ストリングスのアレンジメントを決めないといけないんだよ。どの曲で使うかを決めないといけないんだけど、それが次の段階だね。あとは、ポスプロするくらいだよ。その主な作業がストリングスを加えること。どこでレコーディングするかを決めないといけないな。
 
--- 新作は、UKでリリースされる予定ですか?
 
R: まずは、日本のリリースに集中。その後に、ヨーロッパはどこをアプローチするかを決めたいんだ。
--- アートワークはどうですか?
R: 頭の中に構想はあるよ。
--- 自分で描くつもりですか?
R: 過去には、下田さんにアートワークを手掛けてもらったんだ。彼が過去にやってくれたアートワークは気に入ってるから、彼とまた仕事できたら 嬉しいな。彼にアルバムを聴いてもらって、意見を聞きたいね。どんなビジュアル・アイデアが思いつくかを知りたい。彼の仕事はすごく好きだよ。
--- 来年日本に来る予定は?
R: あるよ。日本には年に3回は行きたいといつも思ってる(笑)。だから、どうなるか様子を見るしかないね。ライヴ・パフォーマンスの話があるんだ。
--- 今年の5月か6月くらいに来日されてましたよね。代官山AirでのDJはすごく良かったです。
R: AIRでね。ありがとう!
--- 繰り返すようですが、日本でのリリースはいつ頃になりそうですか?
R: 来年の頭までに終わらせたいと思ってる。1,2月くらいまでにね。それ以上、長引かないことを願ってるよ。主な制作は終わってるんだ。トラックは全て選んであるしね。前にも言った通り、ポスプロをやらないといけないんだけどね。
--- どんなトラックリストになりそうですか?
R: アルバムの最新バージョンをコンパイルしたばかり。それをRUSHに送ったんだ。僕が求めてたビジョンに近づいてるよ。
--- 来年はDJとかで日本に来られる予定はありますか?
R: 行きたいね。日本でDJツアーをやりたいし、春にもツアーをしたい。ライヴをやったり、フジロックにも出演したいね。
--- 新作はどんなサウンドですか?
R: 以前みたいに、あまりダンス・ミュージック中心のサウンドじゃないんだ。内省的な曲も多くて、ジャジーな曲も結構入ってるんだよ。
--- フィーチャーされているアーティストは?
R: ベニー・ウィリアムスというジャズ・ピアニストが参加してる。ジャマイカのガイデルという人も参加してるし、結構バリエーションがあるよ。
--- 今年はUKでライヴの予定はありますか?
R: 今年はないね。
--- アルバムやライブとか、なにか情報あります?
Rob Smith
 
R: どんな情報が知りたい?
 
--- どんな情報でもいいです。
 
R: 一つ興味深い話があってね。ある1曲は、僕が寝ている間に見た夢から生まれたんだ。夢の中で、僕は横になっていて、空を見上げてるんだ。3 人の人が僕を見下ろして、歌を歌い始めるんだ。目覚めたときに、僕はその歌を覚えていたから、曲に仕上げたんだよ。今作の一番お気に入りの曲 になったよ。
 
--- 新曲なんですか?
 
R: そう。
 
--- 曲名は?
 
R: "Lean Back Home"。その夢はとても不思議だった。今思い出しても、奇妙なんだ。どこからメロディと歌詞が生まれたか分からないんだよね。そして、誰が僕を見下ろしてたのかも分からない。だからこの曲は僕にとってすごく大事なんだ。なぜ大事かは分からないんだけど。とにかく大事なんだ。ここまでシリアスに音楽に取り組むことはないんだけど、この曲は特別だよ。すごく気に入ってる。
 
--- 今までそうやって生まれた曲はあるんですか?
R: そうだね。でもここまで思い通りに形にできたことはない。頭の中にあるアイデアは、雲のように消えていくことが多いんだ。でもこの曲では、 初めてそれを形にできたんだ。後でこの曲を分析しないといけない(笑)。
--- この曲はお気に入りみたいですね?
R: ああ、大好きだよ。すごく満足してる曲だね。休暇をとって、家族でポルトガルに行ったんだけど、僕の子供が海で遊んでる音を録音して、この曲で使ってみたんだ。ミニディスクで子供たちを録音したんだよ。
--- どんな感じの曲なんですか?
R: 音楽の背景で子供達が遊んでるのが聞こえるよ。
--- 通常はブリストルに住んでるんですか?
R: ああ、ずっとそうだよ。
--- ロンドンに来ることはあるんですか?
R: いや、あまり来ないんだ。
--- 今日は来て頂いてありがとうございます(笑)。
R: ああ、大丈夫だよ。
--- ここからパディントンまでどのくらいかかりますか?
R: 1時間半くらいかな。
--- ブリストルに行く予定だったんですけど、行けなくて残念です。でも本当はブリストルにすごく行ってみたかったんです。
R: 行ったことないの?
--- そうなんです。あなたにとってブリストルとは?あなたにとって特別な場所なのでしょうか?
R: ブリストルに住んでいると、その環境が当たり前だと思ってしまうんだ。ブリストルを離れてみんなに話すと、どれだけみんながブリストルを特 別な場所だと思ってるかが分かるんだ。
--- カルチャー、音楽、アートなどいろんなものが混ざっていて、おもしろものが生まれてきてると思いますよ。
R: 僕はそこに住んでいるから、どうしても、それが普通に思えるんだ。でも、旅をすればするほど、ブリストルがどれだけ素晴らしい場所か分かっ てくるんだよね。ブリストルには、都会と郊外の両方の要素があるし、いろんなタイプの人間が集まってるんだ。
--- ブリストルはあなたの音楽にどのような影響を及ぼしますか?
Rob Smith
 
R: ある意味、外的影響が少ない場所なんだ。ロンドンに住んでいたら、いつも最新の音楽を作らなければいけないというプレッシャーがあるんだ。 トレンドを追わないといけない。でも、ブリストルでは、周りの人間は放っておいてくれるから、自由に音楽作りができるんだよ。周りからのプ レッシャーが少ないんだ。平和な街だね。いつも平和とは言わないけど、落ち着いてる場所が多いかな。
 
--- 東京はどうですか?何度も来られてますよね?
 
R: 東京は大好き。ロンドンより好きだよ。イギリス人として、東京の方がおもしろい。東京だと、原宿やお寺がある場所が好きだね。
 
--- 日本だと、どこが一番好きですか?
 
R: 和歌山が好きだね。妻の両親が和歌山に住んでるんだ。いい場所だよ。神戸も好きだね。海が好きでさ。日本はどこも雰囲気が違うんだ。大阪は 東京と正反対だしね。だから日本が好きなんだ。日本のどこに行っても、おもしろいものがあるんだよ。
 
--- 和歌山に行ったことがあるのが驚きですね。
 
R: 美しかったよ。11月に行ったんだけど、暖かくて、夕日が今まで人生で見た中で最も美しかった。
 
--- ブライトンとは違いましたか?
 
R: 全く違ったね(笑)。観光客みたいに写真を撮りまくってた。東京から離れれば離れるほど、英語の看板も少なくなるし、レストランでは英語の メニューもない。東京ではいつも英語で書かれてるメニューがあるけどね。東京から離れると、更に日本に来たっていうことを意識するよ。
--- 東京のオーディエンスのことはどう思いますか?
R: 素晴らしいと思うよ。
--- 東京でプレイするときはいつもクラブはパンパンですよね。
R: それはすごく嬉しいことだよ。オーディエンスはすごく暖かいね。
--- みんなお客さんは、あなたのDJで踊りまくってますね!
R: そうだね。バーにいくと、みんな話しかけてくれて、CDをくれたりするんだ。帰るときは、抱えきれないほどCDを持ってるんだ(笑)。素晴らし いことだよ。
--- 東京以外の場所はどこでプレイしていますか?
R: 何度か大阪でプレイしてる。主に東京と大阪が多いけど、他の場所でもプレイしたことあるよ。
--- DJとして、世界中でどこが一番好きですか?
R: 本当に日本だね。トップ5に日本が入ってるし、シンガポールも良かったし、チリも良かった。ドイツでプレイすることが多いんだ。フランスも すごく好きだし、スイスでもよくプレイするんだ。
--- チリはどうでしたか?
R: すごく良かったね。今までと全く違う体験だった。行く前は、チリや南米のことは全く知らなかったんだ。どれだけ遠いかっていうことも分かっ てなかった。フライトがすごく長くて、びっくりしたよ。ブラジルからのフライトだったんだけど、ブラジルがあれだけ広大だということに気づい てなかった。チリに到着して、ホッとしたね。チリの人はすごく親切だったんだ。チリに住んでるイギリス人の友人もいるんだけど、12,3年ぶ りに会ったんだ。すごくいいパーティーにも遊びに行ったよ。
--- これからの予定などあれば教えてください。
 
Rob Smith
R: 最後に出演した、でかいイベントはロスギルド。2週間前にベルリンでプレイしたよ。今週の金曜はレゲエ・バンドとライブをやるんだ。20年 前に僕が音楽を始めたとき、レゲエ・バンドでギターを弾いてたんだ。再結成ライブを金曜の夜にやるんだけど、ちょっと緊張してるんだ(笑)。 リハーサルをやったよ。メンバーとは20年以来会ってなかったんだ。
 
--- 今もギターはよく弾いてるんですか?
 
R: 曲作りをしてる時に、必要だと思ったら弾くことはあるけど、通常はあまり弾かないね。普段は、PCで曲作りをすることが多いから。いろんなと ころから音を取り込んで曲で使ってるんだ。ミニディスクの音を使ったり、楽器を弾いたりしてね。
 
--- 金曜のライブでは、DJはしないのですか?
 
R: しない。あくまで、キューバ・バンドのサポートで出演するんだ。
 
--- 金曜のライブは、どんな感じになりそうですか?
 
R: そのまんまストレートなレゲエだよ。ギター、キーボード、ベース、ギター、サックス、ボーカリスト二人という編成の伝統的なレゲエなんだ。 ライブを撮影して、そっちに送るよ。でもひどいライブだったら送らないけどね(笑)。上手くいくことを願ってるよ。
 
--- 今日はわざわざ来て頂いてありがとうございます。他に何か情報などあったら、すぐに教えてくださいね。
   
R: うん、分かった。  
2005年11月23日 パディントンにて
Interveiw by Rush! Production.
Photo by Akiko Kano

 
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