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INTERVIEW インタビュー
ハイ・コントラスト インタビュー
--- 本名と出身地を教えてください。
ハイ・コントラスト(以下H):
名前はリンカーン・バレット。カーディフ生まれだよ。
--- あなたにとってロンドンとは?
H: 僕はウェールズのカーディフに住んでるんだ。ロンドンの都心部から3時間位西に行った所だよ。ロンドンに遊びに行くのは好きだね。でも、マンションとかでも持ってない限り狭苦しくて忙しい街だから住もうとは思わないけど。
--- あなたはお酒も飲まないし、タバコもすわない、そしてベジタリアンだと聞きました。そのようなライフスタイルを続けてどのくらいになりますか。
H: だいたい8年くらいかな。
--- ホスピタル・レコーズとはどのようにして出会ったのですか。あなたにとってホスピタルとは?特に、トニー・コールマンとクリス・ゴスはあなたにとってどのような存在ですか。
H: トニーとクリスに会ったのは2000年だよ。僕のドラムンベース・ナイトにDJプレイしに来てくれて、音楽的な趣向も近いしそこから付き合いが始まったんだ。最初に2曲のデモを渡したらディールを結んでくれた。凄い僕にとってもホスピタルにとっても美しくお互いにとって良い関係だと思うよ。トニーもクリスも凄い人達だし人間的にも凄く良い友達だしね。
--- ドラムンベースが生まれてから10年以上経って、ドラムンベースの中にも様々なサウンドが出てきました。「リキッド・ファンク」というサウンドはどのようなものですか。
H: リキッド・ファンクっていうドラムンベースはもともとファビオのスタイルで彼がラジオでプレイしていたんだ。多くの人はその言葉を間違って使って、ダークでは無いドラムンベースに総称している。僕は自分が作ったりプレイしたりするものは、単純にドラムンベースやジャングルって呼ぶ方がしっくりくるね。
--- ヨーロッパでのドラムンベースの状況を教えてください。
H: ヨーロッパのクラブ・シーンはUKを始めドイツやエストニアまで凄く良いと思う。僕のDJに対しても凄く良い反響が返ってくるしね。若いDJ達はダブ・プレートを作るお金が無いからCDを使ったりするけど、未だにドラムンベースのDJの殆どはアナログやプレートを使ってるんだ。僕個人としてはたまに新曲の反応を見る為にCDを使ったりもするけどやっぱりアナログでのプレイが一番好きだね。
--- 何がきっかけで音楽の制作を始めたのですか。それと、あなたの音楽的なバックグラウンドを教えてください。
H: 音楽を始めたきっかけはサンプリングに魅せられたからだよ。その技法は自分の好きな多くのレコードや映画等からテイストを抜き出して一つの違った形を生み出してリスナーの手元に届ける事ができるんだ。元々、親の聴いていた50年代位の古いロック以外は映画やサウンドトラックにしか興味が無かったんだ。小さい時にピアノを8年ほど習わされていたけどね。
--- 今はたくさんの音楽のジャンルが存在しますが、なぜドラムンベースを選んだのですか。ハイ・コントラスト以外のプロジェクトも行っているのですか。
H: ドラムンベースは他の様々なジャンルに触れる機会を与えてくれるんだ。凄くオープンなんだよ。僕はハウス、ガラージ、テクノ、ラウンジ、ヒップホップなんかのテイストを一つの曲に組み込む事ができるんだ。後、個人的にはヒップホップのビートなんかも作ってるけど、まだどのMCもフックアップした事は無いね。近い内にヒップホップのプロジェクトはやりたいなと思ってるんだ。
--- ドラムンベースは他の音楽と融合し、発展してきていると思います。あなたはどう思いますか。
H: 他ジャンルとの融合っていうのはドラムンベースが持っている一つのエッセンスなんだ。これがドラムンベースが長年に渡って興味深くて愛される理由なんだよ。
--- あなたはJ Majikの"Arabian Night"を聞いてドラムンベースにはまったと聞いています。Golide、Omni Trio、4HEROなどはどう思いますか。彼らに影響は受けましたか。あなたのDJスタイルはFabioやGrooveriderから影響は受けましたか。
H: 古いジャングルは僕にとって凄くインスピレーションを与えてくれるんだ。新しいアルバムの“The Persistence Of Memory”を聞いてよ。僕はいまだにゴールディの“タイムレス”を聞いてたりするしね。
--- 最初のアルバムをリリースした後、アルバムはメディアからも高い評価を受け、あなたは世界中をDJで回ったと思います。それによってあなたの生活は変わりましたか。それをどのように思いますか。
H: 僕自身はまわりの環境に変化させられたつもりは全く無いね。世界中の違うお客さんの前でプレイする事を楽しんでいただけだよ。
--- あなたは日本でプレイしたことがありますよね。日本以外ではどこでプレイしましたか。どの都市やフェスティバルが最も印象に残っていますか。
H: 東京でのギグは自分がこれまでプレイしてきた中でも好きなプレイだね。凄く楽しかったよ。後、エストニアは世界中の中でもプレイするのに最高な国の一つだと思う。クラウドが熱烈で凄く熱いんだ!
--- あなたの音楽はクラッシック、ジャズ、ソウルなどの影響下にあると感じました。あなたは、子供のころ親が聞いていた音楽に影響を受けたと思いますか。それから、子供のころに音楽を習っていたことはあるのですか。もしくは、その頃からクラブ・ミュージックをよく聞いていたのですか。
H: うちの家族はボブ・ディランやレナード・コーエンみたいなロックしか聞かなかったんだ、あとたまにカントリーもね。16か17位の時に音楽に目覚めて、そこから自分で知識を集めていったんだ。
--- イギリスでは、キッズがクラブ・ミュージックを聞いたりクラブへ行ったりするのは普通なのですか。
H: そうだね。沢山の若い子達が音楽を聞くし、クラブにも行くしね。
--- あなたは映画学校に通っていたと聞きました。子供のころから映画に興味を持っていたのですか。
H: うん。5歳くらいの頃から映像を見るのが好きだったんだ。1日1本かそれ以上見る生活を何年かしてたんだ。未だに映像の仕事はやりたいと思うよ。今回“レーシング・グリーン”のミュージック・ビデオを自分で作ったんだ。MTVでかかっているよ。
--- それから、あなたはホラー映画が好きだと聞きました。映画学校での生活はどうでしたか。
H: 実は映像の専門学校に入った時には既に音楽に対する興味の方が強くなってたんだ。だから実際そんなに楽しかったとは思っていないんだ。それに学校に入る前に凄く知識はあったから講習を受けてても、もう知ってるよ、って思う事があったんだ。ホラー映画は自分にとって特別な物だよ。後、キューブリックの映像もね。
--- ストーリー性があって、サウンドトラックのようなドラマチックなあなたの音楽は、映画、もしくは映画学校での体験に影響されたのでしょうか。
H: 映画やサウンドトラックに音楽的に受けた影響は凄く大きいよ。
--- アルバム「ハイ・ソサエティ」は、非常にクオリティの高いトラックがそろっていて、あなたの素晴らしいセンスとアイディアとが詰まっていると思います。楽器の音やアルバムのエンジニアリングも素晴らしいと思います。楽器とプログラミングの比率は?
H: まず多くの古いレコードから音を抜き出して組み合わせるんだ。そしてそれらのリフを自分で作曲して飾り付けるんだよ。
--- Tom Kelseyとの作業はどのように進められたのですか。彼はあなたにとって重要なパートナーですか。彼はアレンジやA&Rとしてもクレジットされていますよね。
H: トムはアルバムを作り終える前の段階で手助けをしてくれたんだ。期限が迫っている中で数曲のディレクションをしてくれたし何曲かは彼がボーカルを録ってる物もあるんだ。
--- Dynamite MC、Nolayとのレコーディングはどうでしたか。どうして彼らと一緒にやろうと決めたのですか。
H: 今回はいつも歌ってくれているボーカリストよりもMCと一緒に仕事がしたかったんだ。自分でも予測がつかない様な仕事がしたかったんだよ。それにダイナマイトMCは凄く好きだしね。彼は凄いフロウを持っているし凄くインテリジェントなリリックを書くんだ。ノラは新人の女性グライムMCで、今回一緒に仕事をする機会を得たんだけど、聴いてぶっ飛ばされたよ。
--- 「ハイ・ソサエティ」のコンセプトは?制作にはどのくらい時間がかかりましたか。前作との大きな違いは?このアルバムタイトル「ハイ・ソサエティ」の意味するところは?
H: アルバムについてはあなたがどう感じるかだね。ハイ・カルチャーとロー・カルチャーの概念を出したいと思っているんだ。含蓄に富んだジャングルのアルバムと、ハイ・カルチャーの象徴主義とを並列に扱ったものなんだ。
--- アルバムのアートワークについて教えてください。どのようなコンセプトに基づいてこのアートワークは作られたのですか。
H: クリス・ゴスがホスピタルの全てのアートワークを手掛けているんだ。ベルリンのHospitalityパーティーから戻る飛行機で、クリスと一緒にコン セプトを考えだした。
--- 今使っている機材を教えてください。
H: 僕はマックのG4があれば曲は作れるんだ。スタジオにある他の機材は使わないでもね。
--- レコーディングとDJ/ライブの違いを教えてください。
H: プロデュースはアーティスティックな思想や理念を活かせる場所だと思うんだ。DJは凄く多くの人の前で音楽に魂が宿る場所なんだと思う。
--- これまでのリミックスやプロデュースワークを教えてください。
H: 今までに凄く多くのリミックスをやって来たよ。代表的なのは“The Streets”、“Adam F”、“omni trio”や“Ils and Hatiras”にやった物だね。
--- 9.11以降の世界情勢についてどう思いますか。世界中をツアーして回って、何か特に感じることはありますか。
H: 最近、地球はものすごくクレイジーな場所になってると思う。でも、ラッキーな事に今まで僕が訪れた国はドラムンベースに対して理解のある国ばっかりだった。だから僕は僕なり形で愛を広めるだけだよ。
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