7. イギリスのシーンの状況とCHICKEN LIPSの音について |
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D - チキン・リップスの音は常に、変化し続けていると思うよ。 |
S - 幅広く色んな違ったジャンルに入る音で、彼らは幅広い人達にアピール出来る才能を十分に持っていると思う。 「これがチキン・リップスのサウンドだ!」 と決定的に言えないけど、すごく上手に色んなスタイルをこなしてるよ。みんなも、そう思ってるくれてるんじゃないかな。彼らの音楽には必ずクラブ向け、車とホーム・リスニング向けのモノがあって、いつも上手くプロデュースされてる。それぞれが違うし、絶対に、若い子にはここまでの機材を揃えられないよね。それに、彼らの音は暖かいよ。 |
D - 暖かい音だね、アナログの機材で作られてるからさ。 |
S - ハッピーで変わってて、色んなジャンルの音楽ともクロスしてるし、カテゴライズできないよね。 |
D - ロック、ファンク、レゲー! |
A - 今、バロックって言っただろ! |
D - 実際、色んな要素が含まれてるんだよ。 |
JO
- 彼らは、純粋に一つのジャンルだけでなく、色んな音楽を愛してるからかな。この二人を知ってから、色んな違う音を聴いているし、とても大切なことだと思うよ。バンドの名前はあえて言わないけど、思いもつかないバンドからインスピレーションを受けたり、色んな音楽を聴くってことを二人は知っているんだ。それが、とてもチキン・リップスの音に反映されてるんだと思うな。 |
S
- 基本的に、クラシックなスタイルで音楽を作っているって言えるんじゃないかな。昔の制作とはちょっと違う、独自のスタイルでやってるけど。 |
A
- スティービーはチキン・リップスの一員だと思うよ、ディーンと何かに取り組んでると、スティービーに相談しようってなるんだ。そして、彼は
「これがいいね」 と言うんだ。これって、全部、スティービーに責任があるってことかな! |
S
- はっきり言えるのは、レコードを買ってくれる人達が10秒で、これはチキン・リップスによるミックスなんだってことを分ってくれることかな。チキン・リップスが独自のサウンドを持っていて、みんなが分かってくれる。今回のニュー・アルバムでも、とても挑戦的だよ。過去に作られたモノを作るのは、結構簡単だけど、フォローをするより、彼らはやりたいことで時代をリードしているんだもん。さすがだね! |
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8.
ヨーロッパでCHICKEN LIPSの反応、状況は? |
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S
- リアクションはこれまでスゴクいいよ。クラブによって、クラブ向けのトラックの反応がよかったり、数カ月後に分かることもあるよね。 |
S
- DJとして、時々お客さんはいつもと違うDJプレイを求めたりする時もあるよ。みんなが好きなチキン・リップスの部分はそれぞれ違うし、アシッドのミックスを買ってる人達からは、クラブでそういうプレイを求めるからね。そして、僕は全く違うことをしてみたり。逆にね。これはとてもいいことなんじゃないかな。何でも出来るから、彼らはジャンルを超えたし、僕は何でもプレイ出来る。実際どう見られてるか分からないけど、国によっても違うと思う。例えば、ドイツもまた違うし・・・。反応はいいと思うよ、まだ仕事してるしね! |
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9.
音楽をプロデュースしたきっかけは? |
A
- 音楽を聴いてたら、フラストレーションがたまってきて、むしょうに音楽を作りたくなった。姉から、それにモータウンとか色んなインスピレーションが、音楽を作るきっかけになったよ。それに、父親の弟がエレクトリック・ギターと楽器を持ってたんだ。音楽を聴いて、音楽を作りたいと思ったね。 |
A
- そしてエレクトロニックス、電子機械、音、DR.JOHNなんかも。 |
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10.
音楽はよく聴いてましたか? |
A
- 親の影響でモータウン、ソウル、そして姉からはロック。 |
D
- 弟はディスコ、ファンクとジャズにハマってた。彼のレコード・コレクションを今、持ってるんだけど、70年代と80年代を全部カバーしていているんだ!僕が音楽を作ろうとするきっかけとしては、十分だったよ。ディスコ、パーラメント、アトモスフィアー、こういう刺激的でビッグなディスコ・クラシックスは、すごく影響されたね。 |
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11.
楽器はどのように習いましたか? |
A
- ギターは習っていたんだけど、途中で挫折してさ。ヴァイオリンもヴォコーダも試したけど、止めちゃった。最終的にはフラストレーションがたまって、自分で何かをやりたいと思ったんだよね。結局、独学でどの楽器もある程度は弾けるようになったよ。今は、大体は自分で弾いて作って、レコーディングは誰かにしてもらってる。 |
S
- アンディーはすごく上手いよ! 全ての楽器を演奏出来る人なんて、なかなかいないからね。 |
A
- 決して、上手いプレイヤーではないよ。 |
JULIAN
(ジュリアン) JU - 鍵盤も弾けるんだよね。 |
S&JU
- 独学だね!マッドだね!! |
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12.
なぜこのフォーマットの音楽を? |
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JU
- 常に変化し続けてるよね? |
A
- ほとんどはディーンが最初に何かをかけて、二人でこれをやろう、あれをやろうと言い出して、そこから始まるんだ。全ては何を聴いてるかによるよ。 |
D
- 新しくないといけない。やったことのあるサウンドだったら、違うモノに行くでしょ。前のアルバムと違って、新しいアルバムでは、レゲーとロックの影響をかなり受けていると思う。前作はもっとダブっぽかったでしょ。今回は、ジョニーもヴォ−カルで新しいアルバムに参加してくれて、全曲ヴォ−カル曲だしね。クラブでもかけられるけど、本当のリスニング向けのアルバムでもあるし、クラシックなフォーマットでもあるんだ。ムードによるかな。ファンク・モード、エレクトリック・モード、シンセとドラム・マシンで全てを作りたくなるエレクトロニック・モードなんかだったり、ね。一週間、ベース、ギターとドラムをレコーディングした生楽器のセッションだったりもする。本当に、よるよね? |
全員
- エクレクティックでムードによるよね。 |
A
- 音楽を試聴してから必ず始まるとね、みんなでここで話しをして、レコードを聴いて、ベースラインが気に入ったら、このベースラインをパクろうと言ったりとか! |
A&JO&S
- みんな、そうしてるよ。インスピレーションだよ。そういう感じで前に進んでいくんだ。 |
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13.
CHICKEN LIPS以外でのみんなのプロジェクトは? |
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A - いっしょうに違うプロジェクトもやってるんだよ。他にも、チキン・リップスとは関係のないプロジェクトもやってる。例えば、チキン・リップスのダークサイド・プロジェクトみたいな、SPEAK
200、EMPEROR MACHINE (エンペラー・マシン)。ディーンは色んな別名義でプロジェクトをたくさんやってるけど、今、彼がやっているのは知らないな。 |
S
- GUNT GUNT? |
D
- スティービーといっしょうにDC RECORDINGSでやってるよ。 |
A
- それぞれ自分のプロジェクトがなかったら、おかしくなるよ。別々で他のことをやって、刺激を受けて、そしてまた戻って一緒になる。これって、健全なんだよ! |
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14.
ニュー・アルバムは80年代NYCサウンド? |
A
- 4曲は全く違うね! 他のトラックには、もっとロック的な要素を取り入れたし、ヴォーカルのアレンジは全てジョニ−が担当したんだよ。彼は、今回のアルバム制作と構成に関して、重要な役割を果したんだ。ジョニ−は何を聴いてたのかは知らないけどね。 |
JO
- 多分、みんなと同じモノだったと思うよ。確かに、デビット・ボウイは好きだから、すごく影響される。特に、君達と仕事をすると、ボウイは必ず入ってくるよね。 |
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15.
タレンティーノの雰囲気があると思うんだけど? |
全員
- ワオー! いいね。 |
S
- クエンティン・タレンティーノの秘法のことだよね? |
A
- 全てをねじることが大切。ジョニ−のヴォ−カルと歌詞は本当にいかれてる! |
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16.
何について歌ってるの? |
JO
- それなりに感慨深い歳を迎えてさ、それについて歌ってるよ! アルバムがリリースされたら、歌詞はアートワークの中に書かれるから、分かるよ。アルバムを聴いても、簡単には分からないと思うけど!一緒に、みんなと仕事したことはラッキーだったよ。アルバムはストーリになっているんだ。歌詞を読めば、きっと分かるんじゃない。 |
D
- もう日記だろ! |
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17.
アルバムの出来に関しては満足はしてる? |
A
- YEAH! |
JO
- まだ聴いてないよ! |
JO
- 送られてきた各トラックを徐々に聴いていると、どんどんよくなってきてた。ばらばらだった一曲一曲が繋がってるように感じたね。すごく満足!
みんなはどう? もちろん、アーティストとして、理想を常に目指して、よくしていかないと意味がないけどね。 |
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18.
DJ KICKSについては? |
A
- スティービーがやったよね。 |
D
- みんなで集まって、レコードを集めた。60年代から現在までのバンド、プロデューサから影響されたレコードをピックアップしたんだ。3、4年後に振り返ってみて、今の時代を象徴するようなセレクションではなく、クラシックスをなるべく一枚のCDにいっぱい入れるように考えてみた。それも、ミックスCDではなく、綺麗にブレンド出来るレコードになって満足してる。 |