「サイレント・ポエツはサイレント・ポエツ」。6年ぶりになるニューアルバム『 SUN 』を聴いた者は皆、そのことを改めて強く感じたことだろう。そ して、その『 SUN 』のセットにより、 12/9 六本木 T&G ギャラリーでおこなわれたサイレント・ポエツによるライブパフォーマンスを体験した者も また、「サイレント・ポエツはサイレント・ポエツ」であるということを、疑いようもないほどに深く印象づけられたはずだ。 |
|
サイレント・ポエツのサウンドを特徴づけるもの、それは深く鎮静したグルーヴであり、流麗なストリングス・アンサンブルであり、繊細な音の質感であ るわけだが、こうした音のアイデンティティはライブで表現するにあたって、「ブレ」が生じることも予想されるだろう。しかし、サイレント・ポエツの 音はここでも決して揺るがなかった。 |
|
エバートン・ネルソンが統率するストリングスチームも、ショーン・リーのヴォーカルも、下田法晴が操るエレクトロニクスもパーフェクトにサイレン ト・ポエツの「あの」サウンドを表現していた。それもレコード以上に濃密に。決して広くはない会場であったが、それゆえ、空間の隅々まで下田の美意 識の支配下にあるかのようであった。 |
|
私はこの晩、サイレント・ポエツとは音楽ユニットの名ではなく、下田法晴の強固な、決して揺らぐことない「美意識」につけられた名前なのだと確信した。 |
|
photos:平山秀朋
text:honeyee.com編集長 鈴木哲也 |