夕暮れが迫るビーチ・ステージに、機材のセッティングのため、トミー・ゲレロ達が姿を現わす。ステージ前にぎっしりと押し寄せた観客の足が、さらに前に詰め寄ってくる。ライブ前の期待感が、そういう行動を生むのだろう。スタート前からすでにすごいバイブレーションは感じられた。 |
そして、演奏は淡々と始まった。新旧織り交ぜた曲の網羅。トミーの動きのひとつひとつに、手を上げ、歓声を発して、応える人の波。トミー達の演奏も熱を帯びていく。『By
Fist And Fury』、『Archaic Days』と激しい曲では、身体を全身を使ってギターをかき鳴らすトミー。ステージと観客との熱気が、加速度を帯びて高まっていく。 |
そして、ふとステージの後にいる、愛する息子、ディエゴの姿に気づき、手を振る姿。ステージを照らしていた太陽は、空を染めながらじょじょに沈んでいく。 |
平和で熱い時間も終わりを告げ、何度もステージから手を振りながら去るトミー、クイン、ハウス、チャーリー。サマーソニック05のビーチ・ステージは、静かに幕を下ろした。 |
text/photo by Masahiro Sugimoto |